#8 実務未経験からのデータベーススペシャリスト試験合格術

こんにちは。乾燥が気になり最近加湿器を買った佐野です。

これまでにデータベースについての記事を2回投稿しました。
今回は筆者が学生時代に受験したデータベーススペシャリスト試験についてご紹介します。

データベーススペシャリスト試験の概要

データベーススペシャリスト試験は、IPA(情報処理推進機構)が主催する情報処理技術者試験の一区分であり、年に一度試験が行われます。
その名の通りSQLトランザクション概念データモデルなどデータベースに関する問題が出題されます。

午前Ⅰ試験、午前Ⅱ試験、午後Ⅰ試験、午後Ⅱ試験の4つの試験が課され、すべての試験で60点以上得点すると合格となります。午前Ⅰ試験は過去二年以内に応用情報技術者試験または高度試験に合格している場合免除できます。

なお、令和8年度以降は筆記ではなくパソコンで受験するCBT方式で試験が行われることがIPAより発表されています。
4つの試験はそれぞれ科目A-1試験、科目A-2試験、科目B-1試験、科目B-2試験という名称になるそうですが、以下ではこれらの名称は使用せずに説明します。

筆者の受験概要

受験時期 令和6年度秋
勉強期間 1年(300~400時間くらい)
合格率  17.2%
得点
  午前Ⅰ 免除
  午前Ⅱ 80点
  午後Ⅰ 83点
  午後Ⅱ 83点
結果   合格

筆者の勉強法

筆者の勉強方法をご紹介します。
はじめは参考書で知識を習得し、午前Ⅱ試験で70%以上正解することを目指しました。
その後、午後Ⅰ試験と午後Ⅱ試験の対策に移り、試験までひたすら過去問を解きました。

午前Ⅱ試験(四肢択一25題 40分)

過去問道場」というサイトでひたすら過去問を解きました。
最初は70%以上正解できることを目指し、受験前には80%以上正解できるようにしました。

午後Ⅰ試験(3題中2題解答 90分)

各大問では、次のような内容が出題されます。

SQL設計
同時実行制御
索引設計
性能見積り
バックアップ
概念データモデリング

午後Ⅱ試験でも触れますが、実務未経験では概念データモデリングを選択するべきです。
このテーマは基本的に1題出題されますが、まれに2題出題される年もあります。
一方、それ以外の大問ではSQL(未経験者にとっての最大の脅威)がほぼ必ず出題されるので、その対策を行う必要がありました。
概念データモデリング以外の大問で比較的取り掛かりやすいのが同時実行制御でした。共有ロックと専有ロックの違い、デッドロックが発生する条件や回避する方法を理解していれば、文章で解答する設問の得点が望めます。

午後Ⅱ試験(2題中1題解答 120分)

午後Ⅱ試験は2題から1題を選択して解答する試験ですが、出題テーマはおおよそ固定されています。
片方はデータベースの物理設計に関する問題、もう一方は概念データモデリングの問題です。

実務未経験で合格を狙う場合、概念データモデリング一択です。
物理設計ではSQLや索引設計、性能の見積もりといった知識が問われるため、実務経験者向けの内容となっています。
一方、概念データモデリングは「慣れ」が重要で、学習量が成果に直結しやすいです。

対策方法ですが、15回分の過去問を3回ずつ行いました。
解答に2時間、振り返りに同じく2時間程度かかるので、計180時間程度費やしたことになります。

令和2年度の問題(調達業務、調達物流業務に関する出題)が群を抜いて難しく、解いているうちに自分の脳がバグりました(笑)。
実務経験豊富なみなさん、ぜひ挑戦してみてください。

最後に

学生時代に試験勉強を通じてデータベースを体系的に学んでいたおかげで、入社後に初めて触れる内容でもスムーズに理解できたように思います。
みなさんもぜひデータベーススペシャリスト試験に挑戦してみてください。



この記事を書いた人

  
・出身学部系統:理系(情報系)
・プログラミングの経験:あり(授業および卒論等である程度学んだ)
・得意なこと:絶え間ない努力
・一言:実務上求められる技術的要件に応えるべく、確固たる技術力および的確な課題解決能力の修得に継続して取り組んでまいります。
   

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